ふゆのリネンを訪ねて

お友達の鞄作家さんの展示会を見に神楽坂へ行ってきました。

 

神楽坂の賑やかな通りを1本入ったところ、ビルの2Fにある小さなお店、“ここん”。中には所狭しといろいろな商品が並んでいます。

 

アクセサリーや紙雑貨、鞄やモービルといったオブジェまで。店長さんの目で全国から見つけて、選んだ作家さんたちの作品です。

 

ここで鞄作家の櫛山 彩さんが手がけるブランド、“Tracking+”展示会があると、カードをいただきました。彼女が手がけるのは帆布やリネンなどの天然素材を使ったバッグや小物たち。彼女自身が描いた鳥や植物のイラストをガリ版でプリントしたり、型押ししたり、直接、顔料で布に描いたりと様々な手法を使っていますが、どれも優しい印象で、素朴なイラストが素敵なんです。もともと、お知り合いになったのも彼女が持っていたバッグの鳥のイラストに惹かれて声をおかけしたのがきっかけでした。

 

 

 

さて、カードに書かれた、今回の展示会のテーマは“ふゆのリネン”。リネンというと夏っぽいイメージがありませんか?なぜ、冬にリネン?

 

「リネンは保湿力が高いんです。だから、蒸し暑い夏は汗などを吸ってサラリとした感触を保ってくれます。逆にふゆはその保湿力で乾燥した空気から優しく守ってくれて程よい膨らみを感じることができます。だから冬でもリネンという素材はいいのではないか、と思ったんです」

 

 

櫛山さんはデザイナーで自ら鞄を製作している職人さんでもあります。また小さなお子さんのママでもあり、彼女は今回の展示会のために毎日夜なべをして作品を作ったそう。

 

大変そうだなぁ、と思うのですが、櫛山さん曰く、

「子育ても、鞄を作るのも好き。でもどちらかだけだと辛くなってしまうこともあるかもしれません。両方があるからこそバランスをとって楽しく生活ができるところもあるんだと思います。」

 

 

なるほどなぁ。母になったことのない私にとってはわからない感覚なのかしら、と思いながらも笑顔で対応してくださる彼女のことを素敵!と思わずにいられませんでした。

 

鳥や花といった自然のモチーフがとても魅力的。今回はリネンや帆布を組み合わせたクラッチバッグがメインのようで、たくさん壁に掛けられていました。

そして“ふゆのリネン”のテーマに合わせて、ニットの編模様のようなイラストを取り入れたバッグも。

 

 

 

 

自分へのご褒美に何か買いたいと思ったのですが、どれにしようか迷ったあげく、お花柄のクラッチと、お揃いの小銭入れを購入。

 

どちらも、デザインだけでなく使い勝手もいいように計算された作りなんです。

 

小銭入れは鞄に引っ掛けるカラビナ付き。そして、pasmoなどのカードもちょうど入れられる大きさで、サッとかざせるように、リード付きで便利です。

 

 

クラッチの中は仕切りもあってカード入れも付いているという優れモノ。ここに携帯やお財布などを入れておけば、そのままその日のファッションや気分によってバッグを変える時も入れて持ち運べるインバッグとしても使えて重宝します。

櫛山さんは自宅の一室に鞄作成用のミシンを置いて、作品を制作しています。どれも、自分でイイ!と思えるまで妥協しないで作り込んでいるそうです。それぞれが世界に一つだけの一点もの。

 

私が購入したのは黒の顔料で手書きで花を描いた後、色をさらに上から乗せるという手の込んだ工程で作られているそう。ますますお気に入りに。

 

使い込むほどに手になじみ、クタッとした風合いになっていくのが楽しみです。

 

Tracking+のバッグは“神楽坂ここん”にて、2017.1.12まで開催されています。